忍者ブログ
大一大万大谷
19 . May
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

10 . May
こんな夕日なんて見ちゃったらね、


帰りたくないわけですよ。

 
 
 
もう、パンとかピクルスとかサンドウィッチとかどうでもいい...。
 
 
 

福島牛に乗って、

 
このままどこかへ...さよーならー。

 
 
 
 
 
 
おまけのアンジェ.ロ岩。
PR
08 . May
ついにグランド.ライン到達です!


伝説の塩もゲット。

 
さあ帰って卵サンドの試作だー。
 
だー。

だぁ....。




どうしよう...帰りたくない...。
06 . May
班長という立場であった分だけ、彼の味わった絶望が深いものであった事はその目の下に刻まれた隈からも伺い知れました。
とはいえ、私にも彼を慰めるだけの精神的余裕なんてありません。
ただ、無言で立ち尽くす二人。どこかでみたような光景です。
先に口を開いたのは彼の方でした。

「H(私の本名です)、俺についてきてくれないか。」

私は驚いてまじまじと彼の顔を見つめてしまいました。
彼は私の二倍近くは生きているおっさんです。
ピクルス臭をしのぐ加齢臭を常に身に纏っています。
この春から中学生になった娘さんに面と向かって死ねと言われたと実にうれしそうに語っていました。他人の私でも正直キモいと思います。
そんな彼と? 私が? 不倫? 
無理です。
正気の沙汰ではありません。
もしかしてあれでしょうか。この前の飲み会でのせん.ずり発言が、私を軽い女だと印象付けてしまったのでしょうか。
だとしても、これは立派なセクハラです。
アメリカなら億単位の賠償金です。
とりあえずコイツをこの世から消そう。永遠に。
私が取り返しのつかない一線を越えるその一瞬前、生命の危機を鋭敏に感じ取った彼は一枚の企画書を差し出しました。
そこに書かれた文字は、“ヤマザ.キ梅雨のパン祭り〜たまごでぽん〜”
工場の中では幻として語られていた来シーズンに向けての新企画です。
これを、私に?
ピクルス班長、いいえ、たまご班長はゆっくりと頷きました。
こうして私は失意の果てに新たな戦いの場を得たのです。



サンドウィッチの可能性は無限です。
しかしどんなに新しいサンドが開発されたとしても、たまごサンドは永遠にサンド界の頂点に在り続けなければならない。
王者が王者である為には少しの慢心も許されません。
たまごがサンドウィッチ界の王者で在る為に、私たちが為さねばならぬ仕事が過酷を極めるであろうことは想像に難くない。
しかし、私はもうここから逃げません。あの失敗を二度と繰り返さない為に。
 
さて、ここでみなさんにお聞きしたい事が在ります。
たまごサンドのなかで一番大切なことはなんだと思いますか。
たまご? マヨネーズ? パン? いいえケフ.ィアです。じゃなくて。
答えは“塩”です。

『うまいものは塩。まずいものも塩。』

先達の言葉は偉大です。
良質の塩は前述の素材たちをまとめあげ、調和させるのに不可欠なものなのです。
幸いGWの行楽シーズンも一段落し工場のラインも落ち着いてきたこの時間を利用してたまごサンドに最適な塩を探す。たとえグランド.ラインの彼方までも。

と、いうわけで明日から出張に出ます。
05 . May
憎む事は簡単です。誰にでも出来ます。たとえば、そう、獣にだって。
しかし理性をもって他人を許す事ができるのは人間だけなのではないでしょうか。
ハム事件から一ヶ月間あまり。
私たちピクルス班が選んだのはハム班との徹底した話し合いによる事態の解決でした。
私と班長がそうであったように、いつか彼等も心を開いてくれる。
そう信じる私たちを尻目に、会議室に彼等が姿を現す事はついになかったのです。
決定的な決裂。
もはやハム班との共同作業は不可能となった時、工場長が下したのはハム班とピクルス班の解散という最悪の決断。
こうして、私が入社以来たずさわってきた部署はこの世から消滅しました。

もうなにも考えられない。考えたくない。

絶望、という言葉の意味を私は初めて実感したのだと思います。

私がこれまでやってきたことってなんだったんだろう...。

帰りの山手線の中でじっと自分の手を見つめて考えました。
食品の製造に携わるものとしては当たり前の事ですが、私の爪はいつも短く深爪気味です。
そしてその短い爪と皮膚の間はピクルスのせいで薄緑色に染まり、独特の酸味を帯びた匂いが染み付いています。
正直、同じ年頃の女の子たちのようにネイルアートとかしてみたり、好きな人とお揃いのラブリングなんてものを身につけてはしゃいでみたいと思った事も一度や二度ではありません。
しかしそんな爪では繊細な薄切りのピクルスをぼろぼろにしてしまうし、シルバーの指輪なんてしようものならピクルスの強い酸のせいであっというまに灰です。
ここまで青春を犠牲にしてまで続けてきた事がこんなにもあっけなく消えてしまうなんて。
しかもその原因は元を辿れば私がピクルスの枚数について主張したこと。
結局、私は自分で自分の首をしめてしまった。しかも周りの人間を巻き添えにして。これじゃまるで石田三.成みたいじゃない...。
耳につっこんだiPo.dから流れる銀.魂BEST。マダオってマるでダめなオおたにのことでしょ?とか、坂本さんが好きだけどOP以外ではめっきり気配を感じないとか、女はね愛している人より愛してくれる人と一緒になったほうが幸せになれるのよ?とか、そんなどうでもいいことばかりが脳裏をよぎります。

降りるべき駅を過ぎてもぐるぐると山手線をまわり続ける私のコートのポケットの中でふいに携帯が鳴りました。
それはピクルス班長からの電話でした。
 
 
 
長くなってしまったので続きはまた明日。

07 . April
やられました。
完全に出し抜かれました。
私たちがうかつだった、としか言い様がありません。
ピクルス班長と和解を果たし、気持ちも新たに出社した私を待っていたのは思いも寄らぬ光景でした。
私たちピクルス班のブースの床の色が一面ピンクに変わっていたのです。
一瞬何が起こったのか理解できず、ペンキでも塗ったのかと思ったそれはなんとハムでした。
薄くスライスされたボンレスハム。
それが床一面にぶちまけられていたのです。
ハム班の仕業です。間違えありません。
ピクルスの枚数を増やしたことにより、ハムの存在が薄れること、さらにはハム自体にかけられる予算が削られる事を妬んだ彼等がついに強硬手段に出たのです。
続いて出社してきた班長もこれには流石に言葉を失ったようでした。
なぜこんなことに..。自問自答を繰り返しながら、私たちは午前中いっぱい床のハムを拾いそれを薔薇の形に積み上げる作業に従事したのでした。
30 . March
未だに炎上を続けるパン工場の日々。
実はあのあと、ピクルス班長から電話があり一度お互いに腹を割ってじっくり話し合おうということになりました。
商店街のうらぶれた喫茶店、私と班長は向かい合ったまましばし無言でした。
二人とも言いたいことが多すぎて言葉が出て来なかったのです。
そこに私が注文していたサンドウィッチが運ばれて来ます。
こんなプライベートの時にまでサンドウィッチを頼むだなんて私ったらどれだけパンが好きなんだろう...ひとり苦笑する私の前で班長の席にも彼の注文したものが....それはまぎれもなく、私が頼んだものと同じ、サンドウィッチでした。
彼は私より先にこの店に来て、私と同じサンドウィッチを注文していたのです。
正直意外でした。
パン工場で管理職にあるにもかかわらず、日頃からご飯派を公言してはばからない彼がサンドを...?
目を丸くしている私の前で、彼は一番うえに重ねられたパンをめくってこう言ったのです。
やっばりピクルスは4枚だよな、と。
私は、泣きました。
人目も憚らずに号泣しました。
それから私たちはパンについて様々なことを話し合いました。
はじめてこの工場にやってきた日のこと、ベルトコンベアの流れ作業についていけなくて先輩方に迷惑をかけてしまった新人の頃、そしてアメフト部で全国優勝を果たした時の感動、黒.夢のライブ...。
人と人が分かり合えた瞬間でした。
最後にお互いの頬にクロスカウンターを交わし、わたしたちは別れました。
明日からもがんばろう。
アスファルトの上に転がったマウスピースを拾って砂を払いながら、私は久しぶりに清々しい気持ちでそう誓ったのでした。
その時には、まだ、後に訪れる新たな修羅場を想像だにせずに。
 
22 . March
消しハン刑部。

私は一体なにをしたいのでしょうか。見失いつつあります。
 
職場(山崎パ.ン高井.戸工場)の人間関係が大火事です!
原因は私が担当しているピクルスの枚数について班長との意見の食い違いです。
班長は3枚でいいと言うのですが、私は現状の4枚を維持したい。
彼としてはそんな違いは購買者の皆様にはわからないというのですが、私は3枚と4枚では酸味のバランスがくずれてしまうと思っています。
しかしどんなに説明しても彼には私の考えがなかなか理解してもらえずここ最近はひとりで悩む毎日が続いています。
世界的な不況で経費削減が叫ばれている昨今、しかしやはり私としてはこんな形でクオリティを落とすことは納得できません。
はじめはこんな小さな歪(ひずみ)でも、それがやがてはパン全体の調和を崩してしまいかねない事を危惧しています。
そんなことを考えていたらとても切なくなりましたが、そういえば明日は週に一度の殴り合いの日でした。うっかり忘れるところだった!あぶないあぶない。
とりあえず今日は枕元に置いてあった夏みかんでも食べてビタミンCを補給!気持ちも切り替えて明日は全力でがんばってこようと思いますよ!
| HOME |
プロフィール
HN:
ハルナ
   
自己紹介:
ツイッターやっています。
鍵がかかっていますが、お気軽にお構いくださいな。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[03/27 NONAME]
[11/11 るい]
[06/28 るい]
[05/15 るい]
[05/05 るい]
ブログ内検索
カウンター
Powered by NINJA BLOG  Designed by PLP
忍者ブログ / [PR]